Web CM 公開中

あまた・髙橋宏典社長インタビュー『Last Labyrinth』

ー今日は、あまた株式会社髙橋宏典社長に『Last Labyrinth(ラストラビリンス)』についてお伺いするため、東京都新宿区にある、あまた株式会社本社にお邪魔しています。髙橋社長、本日はよろしくお願いします!

あまた株式会社代表取締役の髙橋宏典といいます。VR脱出アドベンチャーゲームの『Last Labyrinth』という自社タイトルでは、ディレクター兼プロデューサーを務めております。本日はよろしくお願いします!

 『Last Labyrinth』とは

ーまず、『Last Labyrinth』とはどんなVRゲームか教えて下さい。

『Last Labyrinth』は、VRでしかできない体験を作ろうということで、VR脱出アドベンチャーゲームとして2016年の東京ゲームショウで発表した自社タイトルになります。2019年11月13日に発売し、Oculus Quest、Oculus Rift / Rift S、PlayStation VR、VIVEシリーズ、Valve Index、各種Windows MRといった主要なVR HMD全てに対応しています。

ゲームの内容としては、「VR脱出アドベンチャーゲーム」と銘打っているんですが、プレイヤーはVR世界に入ると完全に車椅子に縛り付けられてしまった状態で身体の自由がきかない状態でゲームがスタートします。 

そこにカティアという少女が登場するので、彼女と協力をしながら、2人で謎解きをしながら閉じ込められてしまっている謎の館から脱出していくというゲームになっています。

 

ーどのような開発メンバーで制作されたのですか?

主要なスタッフはゲームのベテラン開発者が多く、私自身は『どこでもいっしょ』シリーズを作っていたりしたんですけど、他のメンバーでは、『ICO』とか『ワンダと巨像』とか『人喰いの大鷲トリコ』といったPlayStation®のタイトルを作ってきたメンバーがおりまして、そういったタイトルの開発者で頑張って作ったタイトルになります。

 

ー実際にプレイしてみて思うのが、プレイしたことが無い人に『Last Labyrinth』を説明するのは少し難しいですよね

そうなんですよね。VR脱出アドベンチャーゲームと銘打っているものの、既存の他のゲーム例えるのがすごく難しいです。

ゲームの各パーツだけ見ると、あのゲームに似ているみたいことはもちろんあると思うんですけど、ゲーム全体の体験として見ると、良くも悪くも他のVRゲームでは味わえないような、複雑な感情を持つようなゲームになってるんじゃないかなと思います。

大半のゲームでは、例えば最初の部屋に出てきた謎解きがあったら、次の部屋はその応用編みたいな感じで少しずつ複雑になっていくというような作りだと思うんですが、『Last Labyrinth』の場合は、意図して部屋(謎解き)ごとに全く違う作りに意図的にしています。前の応用編みたいな体験があんまりないような作りに敢えてしています。

 謎解きについて

ー『Last Labyrinth』の謎解きは難しい?

一つ一つの部屋ごとにまったく新しい謎解き体験をして欲しいという意図があったんですけど、色々とテストプレイをして分かった事は、得意不得意がプレイヤーによってバラバラであるということなんです。

人ぞれぞれの謎解き特性と言えるかもしれないですが、例えば Aさんは「この部屋は難しかった」と言うとする。一方で、Bさんは「この部屋めっちゃ簡単すぎてこれを間違う人がいるんですか?」みたいな事が起こるんです。

 

ープレイ中、謎解きのヒントが無くてなかなか進めないことがありました(泣)

ヒントを出さなかったのはちょっと意図したところがあります。(ヒントが無いのは)不親切だとご批判をいただくところでもあるんですけど、そこは体験性を重視したところです。あくまで、「カティアとのプレイヤーの二人の謎解き」に集中して欲しかったというところと、謎解きに対して脳みそを真剣にブン回してほしいというちょっとスパルタなゲームデザイン的意図があってわざとヒントを出していません。ノーヒントで解ける人は頑張って謎を解いてくださいと。

ー(ノーヒントで謎が解けずに)スマホの力を借りたこともありました。

購入頂いた後はプレイヤーの自由なので、攻略wikiを見ながらプレイしても、ノーヒントで俺はやるぞ!でも、縛りプレイでもそこは何でも自由で良いと思いますが、作った側の考えとしては、なりきりプレイと言うか、ノーヒントでも実はだいたい解けると思っています。ゲームの仕組み上、プレイヤーがポイントしたところをカティアに調べてもらう、動かしてもらうというような操作しかないので、究極言うと全部しらみつぶしにやっていけば、ヒントが無くてもできなくはないですよ。少し短期記憶が必要だったりする謎解きもあったりしますけど。

ーやっぱり自力で考え抜いて謎が解けた時は、すごく面白いから「よっしゃあ!」って気持ちになりますし、そういうクリアできた時の達成感を味わっていく中でみるみるうちにゲームにのめり込んでいく感じでした。ちなみに、謎を解いている途中で、時々カティアが何か動いたり喋ったりする事があると思うんですが、あれって実はヒントを言ってくれてたりするんですか?

言ってるときもありますし、全く関係ないこと言ってる時もあるかもしれないです。カティアが何を言っているかは謎なんで(笑)

ー謎解きが難しくて投げ出しそうになった人にはあきらめないで欲しい。その時は適度に攻略法を調べるなりして、次々に謎を解いていく中でアハ体験を繰り返して、カティアと一緒に物語を進めていってほしいなといちプレイヤーとして思ってます(笑)

 

カティアとの関係性を重視したゲームデザイン

 ー社長は、『Last Labyrinth』をプレイする人にどんな体験をしてもらおうと意図されてらっしゃるんですか?

テーマとしてはいくつかあるんですけれども、カティアとプレイヤーの関係性はしっかり描いていくというのは企画の初期段階からありました。

過去に開発に携わった『どこでもいっしょ』シリーズに「トロ」というプレイステーションのマスコットキャラクターみたいな存在になっている白い猫がいるんですけど、そういう架空のキャラクターとコミュニケーションをしていくこと自体が遊びになるというようなタイトルでディレクター・プロデューサーをやった経験があるので、今回の『Last Labyrinth』の企画でも、VRという新しいデバイスを使って何かゲームを作ろうとなった時に、やっぱり新しい架空のキャラクターとのコミュニケーションを描けるんじゃないかというのが根底にあったんです。

ープレイしていくほどカティアとの絆というか、関係性みたいなものが生まれ、それがより大きくなっていくことを感じました。謎解きに失敗した時に、「カティアごめん!」みたいになったり、クリアしたときに仲間意識みたいなものを感じたり、そういう感情移入みたいものが生まれてくるんですよね。

店長に感じてもらったようなことは、まさに描きたかったことのひとつです。この世界でしか通じない謎の言葉とジェスチャーだけでやり取りをしてるわけですけど、共同で謎を解いていくことで、後半になればなるほどをプレイヤー自身がカティアに愛着が湧いてくるというか関係が深くなっていくような体験ができるっていうのは、最初からそういう風にしたいと思って丁寧に作り込んだ部分です。

 ーゲーム内でのカティアの動きにも目を惹かれました。

キャラクター表現にはすごく気を使っていています。本作のアニメーションは『ICO』や『ワンダと巨像』といったPlayStation®の有名タイトルでアニメーションを作った福山がリードアニメーターとして作っていまして、彼女の作るアニメーションはものすごく細やかなんです。カティアのすごく生き生きとした存在感は、福山のアニメーションの細やかさによって生み出されていると思います。

 

『Last Labyrinth』は怖いゲーム?

ー僕もその一人だったんですが『Last Labyrinth』に怖いイメージを持っている方もいらっしゃるようですね。謎解きの失敗すると、カティアと一緒に死が迫ってくる演出など。

確かにちょっとドッキリするところもありますね。そこはプレイヤーとカティアとの一体感というか「あなたの行動の責任をとってねシステム」なんて勝手に呼んでますけど、プレイヤー自身がどういう選択をしたのか、どういう行動をしたのかに対してカティアに与えた痛みと同じ痛みをプレイヤーも感じてくださいという感じです。

ー自分のミスというか失敗によって、まず最初にやられちゃうのがカティアなので、「カティアごめん!」ってなるんですけど、そうこうしている間に次は自分に迫ってきますよね。そうするともうカティアから目をそらして、自分は目を瞑るとか。ただ目を瞑っても、次は音で自分に迫ってくるのが分かるので、めちゃくちゃVRらしい体験だなというか、視覚も聴覚も、完全にこの3Dの世界に没入しているなっていうような感じ。少しの物音で、ゾクッと鳥肌が立っちゃう感じなどはVRならではの体験だと思いました。

そういう意味での体験性みたいなところはVRならではなので、すごく意識をしているポイントです。

ー怖そうだから敬遠しているという方にも、ぜひ味わって頂きたいです。

怖いのが苦手だからやりたくないって言ってる方が想像してる怖さとは、『Last Labyrinth』の演出はおそらく少し違うんですよね。既存のホラーゲームの怖さっていうのは突然暗闇から「わ!」って出てくるジャンプスケアとかそういうものが怖いって言う方がすごく多くて。プレイしていただくとわかると思うんですが、僕自身ジャンプスケアみたいな怖さが苦手なので、『Last Labyrinth』ではそのような演出はほとんどありません。

ーそういう演出シーンでも突然ではなく、段階的に迫ってくる感じですよね。

そうですね。何かが起こるということが事前にわかるように見せる工夫をしています。

声優 ステファニー・ヨーステンさん

ーカティアの声を担当した声優さんについてお聞かせ下さい。

を担当したステファニー・ヨーステンさんは、オランダ人のモデル、シンガー、女優として国内外で活躍されている方なんですけど、『METAL GEAR SOLID V:THE PHANTOM PAIN』で謎のスナイパー役「クワイエット」を演じてたんです。そんなステファニー・ヨーステンさんが『Last Labyrinth』ではカティアの声を担当していて、発するのは謎の言葉なのに感情がこもってるのがわかるんです。そんなステファニーさんやアニメーターの福山など、いろんな方の才能が絶妙に絡み合ったおかげで、カティアの生き生きとした存在を実現できたと思っています。

 

 

企画当初は、電動車椅子に乗ってプレイヤーが動ける設定だった?!

ーところで、プレイヤーが車椅子に乗ったまま身動きが取れないという設定に、「VRなのに動き回れない?」と思った事があるんですがどんな背景があったんでしょうか

実は、開発の初期段階では、車椅子も電動車椅子でプレイヤーは動ける設定だった時期もあったんです。ただ、そうしてプレイヤーの自由度を上げていくほどカティアとの関係性みたいな部分がぼやけてしまうことが分かったんです。要するに、自分が拘束されていて無力であればあるほど、カティアとの関係が深くなるよねっていう、そういう理由からプレイヤーは一人で移動できないようにしています。

「カティアに頼らざるを得ない」このもどかしい感覚をしっかり際立つようにと考えた結果、どんどんと要素が削れていって、カティアに車椅子を押してもらわないと、もはや移動すらできないというところまですごくプリミティブな状態になっていったという感じです。

何でもかんでも、できることが多ければいいわけではなくて、引き算したりするっていうのはゲームを作る時によくあるんです。あるデバイスとかある機能を全部総盛りにしていくと良いものになるかと言うと、やっぱりテーマがぼやけてしまったりとか、味付けがとっちらかりすぎて全体としては何かよく分からないみたいなものになったりするんです。なので、特に今回の『Last Labyrinth』ではめちゃくちゃ引き算のゲームデザインでプレイヤーができることを極限まで少なくすることを意識しました。

理由としては、当時VRゲーム市場自体が立ち上がり期だったので、とにかく操作をシンプルにして入りやすいゲームを作ろうと意識していたというところもあって、いろんな操作方法などを覚える必要があるゲームだと、結局ゲームの中に入り込めなくなってしまうので、とにかく極小化したかったというのがあります。覚えることが少なければ、ゲームの世界に没入する速度も速くなるんじゃないかなと。

ー確かに、プレイしていて操作を意識する感覚はほとんどありませんでした。

このゲームの場合、プレイヤーは周りをよく見渡して観察するっていうことをものすごくやるので、そのことによって他の一般的なゲームよりも没入感が上がる効果が得られたかなと思います。

これはVRゲーム意外でもそういうところがあって、例えば、PlayStation®のゲームを後ろで見ているだけでプレイはしないって人がご家族の中にいたりするわけです。なぜかと言うと、コントローラーにあんなにたくさんのボタンとかスティックついていて、それ自体が実はプレイするハードルになってるというのは長年ゲームを作ってきた中で、一定の離脱者を生んでる要因になってるな思っていました。

なのでVRという新しいデバイスにおいても、もちろんそういったたくさんのボタンとかスティックとか使って遊ぶものもあってもいいんですが、当社が初めてVRのゲームを作るのであれば、できるだけ初心者の人にもシンプルな操作方法でプレイしやすいものを作ってみたいという想いがありました。

『Last Labyrinth』はVR初心者の方にこそ遊んで欲しい!

ー『Last Labyrinth』はどんな人に向いているとお考えですか?

VR初体験の方、VR初心者の方には結構向いてるんじゃないかと思います。去年はまだコロナ禍以前だったので、『Last Labyrinth』の全国体験会ツアーをやったんです。北は北海道から南は九州まで、TSUKUMOさんなどのご協力も頂きながら実施しましたし、ぜんため(全国エンタメまつり)や東京ゲームショウなどの様々なイベントにも参加して、計1500名程の方に体験していただきました。

ー1500名、すごい人数ですね!

そこでVRに興味があるからと初めてVR体験する方の中に、『Last Labyrinth』を体験してもらって「VR買うよ」と、その場で本当に購入された方や、体験をきっかけにVR買いましたとTwitterに投稿してくださる方がすごく多かったんです。

そういった声からも、今までになかった体験を感じられるって意味では、初心者の方には操作も簡単で、没入感もあるのでおすすめかなと思っています。

ー実際にやってみると、本当に簡単にプレイできました。『Last Labyrinth』は誰にでも操作可能ですね。

一つのコントローラーのボタンと、イエス・ノーという首の動きの二つだけですね。

あとは、VR酔いを気にされる方がやっぱり多くて、その点でも『Last Labyrinth』は体験が終わった後に気持ち悪くなったという方は皆無だったので、これまでにVR酔いしてしまった経験からVRはちょっと苦手だなと思う方にもオススメしたいと思います。

終わりに

ー今回は、あまた株式会社の高橋社長に『Last Labyrinth』について色々とお伺いすることができました。今日は本当にありがとうございます。最後に、社長から読者の皆様にメッセージがあればお願いします。

アストネスでVRを借りてぜひ『Last Labyrinth』遊んでください!!

ーよっしゃー!やりましょう!!!